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捏造・妄想だらけの二次創作ブログです。 たまに愚痴ってます。
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はい、「1」なんです、ごめんなさい。
この「焔」は、銀ロマフェリックス(本家様のフェリックスも後々出てきます。ずっと後ですが。そのため、便宜上、説明などでは、このような表記にさせてもらいます。)の生誕秘話のようなもので、適当なところで切ったら、全部で4つになりました。

Sound Horizonの5thStory「Roman」を、銀英伝でやってみよう!です(^_^;)
今後、アルバムの曲順通りではないことがあります。
イヴェポジションを捏造しています。オリキャラ無理な方は申しわけありませんが、このシリーズはご遠慮くださいませ。
あんまり原作・資料を読み切れてません。どこの話でも、どんな細かいところでも構いません、もしおかしいところがあれば、遠慮なくコメントしてください。訂正いたします。

アッテンボロー、誕生日おめでとう!ネタが思いつかんで祝えんかった…すまん。



ウォルフガング・ミッターマイヤーは、上の空で執務をしていた。結婚してからの二人の願いが、ようやく叶おうとしているところであるのだから、無理もない。臨月に入って早一週間。皇帝(カイザー)の計らいと、他の提督が他の協力もあって、予定日には立ち会えるよう、スケジュールの調整が行われている。それでも、仕事の合い間合い間に顔が緩むのを咎めもせず、幕僚たちは微笑ましく見守っていた。
その時である。副官を押しのけて、ノックもせずに、憲兵が一人駆け込んできた。
「なんだ、許可も取らずに!ここをどこだと…」
「ご報告申し上げます、ミッターマイヤー元帥!」
ビューロー大将が声を上げるのをさえぎって、憲兵は叫んだ。
「フラウ・ミッターマイヤーが、交通事故に遭い、ただ今病院で手術を…」
「どこだ!!」
次に声をさえぎったのは、ミッターマイヤー本人だった。

 

 

 

 

 

 

うなだれた蜂蜜色の髪。肩に垂れ、血の色にしか見えない元帥の赤いケープ。
オスカー・フォン・ロイエンタール元帥は、負の色をまとう親友に、どう声をかけるべきかと悩んでいた。
初めに声をかけたのは金銀妖瞳(ヘテロクロミア)の親友ではなく、唯一の主と仰ぐ主君、ラインハルト・フォン・ローエングラムだった。
「ミッターマイヤー元帥」
グレーの瞳が、蒼氷(アイスブルー)の瞳を見上げる。
「勅命で、最高の医師たちを呼ばせた。信頼してくれていい。提督方の主治医にも協力してもらっている」
それは、銀河帝国民が望み得る、最高の待遇。
グレーの瞳が潤み、ミッターマイヤーは、年下の主君を見上げた。
「皇…帝…
 あり…がとう…ござい…ます…」
皇帝が三元帥の一人に向ける瞳は、かつての親友に向けていた瞳と同じで。
「…礼は、奥方が助かってから言うがよい。
 余はたぶん、もしもの時のために、逃げ道を作っただけなのだろうから」
立ち去って行く皇帝の背中には、少し威厳が欠け、肩は少し震え、輝く金髪は、少しくすんでいるように見えた。
「皇帝(カイザー)…?」
皆が、様子が変だと思った。医者が駆けてきたのは、その時だった。
「あの……っ!ご家族の方はどなたで……?」
全身を保護された身体。白衣に染まった血は、誰のものか。
「エヴァは…」
「こちらが、夫のミッターマイヤー元帥だ」
ミッターマイヤーは、声の主を見上げる。2色の瞳と、目が合った。
「俺の主治医だ。心配しなくていい」
「奥方様は、命に別状はありません。骨折等の怪我をなさっておいでですので、半年ほど入院していただければ、おそらく障害は残らないでしょう」
それでミッターマイヤーは、少し立ち直ったようだった。すぐさま医師に飛びかかる。
「なら…ならば、卿がためらっているのは何だ!?
 『フェリックス』か!?『フェリックス』が、まさか…」
「…残念ながら、お腹の、ご子息様は…」
普段、俺のどんな冷笑にも自嘲にも耐えている主治医も、今日ばかりは少し言いよどむようだった。
「奮闘したのですが…申し訳ありません」
「そうか…御苦労…だった」
ぐー、っと、まぬけにも、ビッテンフェルトの腹が鳴った。そう言えば、もう夕飯時なのか、と思ったが、雰囲気に押されたのか、誰も出ていくことはなかった。明らかに気まずく、腹も空かせているのであろうビッテンフェルトも、自分まで何かに耐えているようなお姿の皇帝(カイザー)も。心の中では、自分には関係ないと思っているであろう、オーベルシュタインまでも。

「オスカー様」
いまだにうなだれたままの主治医が俺を呼んだ。
「どうした?」
「…少しお話が」
聞かれたくなさそうだったので、廊下の隅に追いやる。皆の死角になるよう、主治医を壁に押しつける。
「…で、どうした?」
「私共では、どうしても元帥と奥方様にお伝えする勇気がなく…」
「だから、何なんだ?」
先が読めず、俺はイラついていたらしい。自分の息がかかるほどにまで近づいていたことに気づき、腕の力を緩める。
「奥方様は、子宮をやられておりまして、皆必死で処置を施したのですが…」
「…そうか」
皮肉なことだ、と呟く。結婚してからあの二人は、ずっと子どもを望んでいた。やっと生まれると歓んでいたら、生まれる前に死んでしまった。
「…で?もう子供は産めないと、俺が伝えればいいのだな?」
「…お願いします」
「わかった。ご苦労だった」
「ありがとう、ございます」
礼を言い、主治医は戻っていく。
ひどく、重い仕事を押し付けられたようだった。
 

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