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卒論終わったよいやっほーーーい！
ミスった分の実習終わらせられたら無事卒業です。テストが大丈夫なら。

ムーランルージュっ！
※公式設定がログアウトしました。

ロイエンタールを救いたいんだその１です。

――廻る回る　　緋色の風車
　　　綺麗な花を咲かせて
　　　踊る踊る　　血色の風車
　　　綺麗な花を散らせて　　――



「エルフ、エルフ、エルフリーデ！」
「オスカーー！」


「おまえは一族の仇！
　このエルフリーデ・フォン・コールラウシュが、いつかお前を殺してやるわ！」


「ええ、お前の子よ。望まれなかった父親から生まれた、望まれない子供が生まれたわ」


「…邪魔するつもりはないわ。私は、あんたが滅ぶのを見届けに来たのよ」


「その子を、ミッターマイヤー元帥に託すがいい。実の両親が育てるよりも、将来性のある子供になるだろうよ」


「オスカー、オスカー！オスカーー！！」














オスカー・フォン・ロイエンタールは、はっと目を覚ました。一体いつになったら終わるのか。
燃え盛る焔。涙で潤んだ瞳。助けたいのに助けられない、離れていく手。
命を狙おうと突き出された手。一族の仇と睨む瞳は…。
同じ、瞳で、同じ手で。
同じ、少女だった。
エルフリーデ・フォン・コールラウシュ。
リヒテンラーデ候にに連なる一族の、貴族の娘だった。

「ロイエンタール元帥？起きました？」
望まれていたのに死んだ子供、フェリックス・ミッターマイヤー。
「卿は…！今のを聞いていたのか…？」
あわてて起き上がる。何があったのか覚えていないが、俺はなぜ見知らぬベッドで寝ている？その前に…。
天上（ここ）でも、寝るものなのか。
「よくは聞いてない。うめいてただけだったから。何か叫ぼうとしていたのはわかったけど。何かいろいろトラウマがあるってことは知ってる。だけどそれだけ。ここにいるのは俺だけだから、気にしなくていい。
　…あと、俺の事、”卿”って呼ぶのはやめてくれます？俺、そんな歳じゃない」
フェリックスは床にかがんで何かをしていた。水の落ちる音がする。
「まだ寝ててください」
「…どうした」
ベッドに押し戻される。
「どうも熱があるみたいですので」
「風邪、引くのか」
自分に熱があることよりも先に、どうしてもそちらに疑いを持ってしまう。
「引きますよ。あなたも知っているでしょう。同盟のヤン元帥は、自分が嫌なタイプの人間が訪ねてくると必ず居留守を使います。たいがい腹痛ですからね、実際になることを知っていないと使えない方法です」
「…なるほどな」
「防げるのは、人殺しやレイプなど、道徳的にダメなことだったり、命に関わることだったりだけで、けがなんかもするし…だから昨日貴方は死にそうになるほど酔ってたんですよ。Valhalla（ここ）じゃなかったら確実に死んでましたよあなた。死なない代わりに熱出した、それだけです」
そういうフェリックスは、とても淡々としていた。
「だから、今日はしっかり寝てください」
額に冷たいタオルを乗せて、フェリックスは出ていこうとする。ロイエンタールはふと思い出して止めた。
「…まて」
「ん？」
「…俺はどうしておまえの部屋にいる？」
生前、ミッターマイヤーとどれだけ飲んでも、自力で家に辿り着いていたというのに。
「だってあんた、道にぶっ倒れてたんだもん。俺、あんたの部屋知らないし、その状態のあんたを他の元帥に押し付けるわけにはいかないし」
「…なるほど」
「あ、そうそう」
「…何だ」
フェリックスは最後に、ロイエンタールにとどめを刺した。
「エルフって誰？」
「……っ！！」
答えを待たずに言うだけ言って、フェリックスは出て行った。
あいつは…何をどこまで知っている？惑星カプチェランカでミッターマイヤーに打ち明けたときには、あいつはもちろん生まれていない。ここの鏡では過去のことは見られない。一体いつ知ったのか…。
…我ながら度し難いな。死んだ後にも、いっそ死んでしまいたいと脳が思考する。
あいつは、望まれた子供で、俺は、疎まれながら育った子供で…。
思考が、同じところを巡回していく。
このようなときには、なおさらだった。

[10回]