委員会家族転生パロ、室町での火薬委員会です。
このシリーズ、すごい久しぶりですね(^-^;

今回、長いです。ここの今までのものの中で、一番長いです。
私は火薬に夢を見すぎているということに、今ごろ気付きました（笑）

普段はバナナのほんわかさんが好きなのですが、今回は原作のちょいカッコイイ感じです。

一部日本語おかしい所があると思います。あれ？いつもか？（笑）

彼は海にいると信じています(^O^)

あ、一人、女装しています。女装ですからね！…(^-^;

燃え盛る炎の間を縫って、少女は駆ける。
目覚めた時にはすでに周りは燃えていた。

｢父上！？母上！？｣
呼んでも応える気配はなく。
彼女は、走りながら自分を責めていた。そろそろ危ないことはわかりきっていたのに。
彼らが狙っているのは自分なのに。
大丈夫、まだばれていない。


目指すは、後輩の住む隣村。





｢奴ら、あぶり出す気ですね｣

町外れの家が放火され、村の出入り口が封鎖される。
｢我が家は有名だからの｣
父がのんびりとした口調で言うが、なぐさめになどなりはしない。
助かるためには、行かなきゃいけない。自分が行動しないと、町全体がやられてしまう。
｢父さん、行ってくるよ｣
町の人たちを集めておいて。
最後に向けたのは、壊れた笑み。

最後に持つのは、忍び道具。





すでに縁は切っていた。
学園を卒業した時点で、認識的には存在しない方がいいと思ったから。
僕はもう、いないんだと思っていた方がいい。
僕が今何をしていて、どんな傷を負って、何を考えているのか。

僕がもし生きているなら、考えてしまうだろうね？
そう思って消えたのに、あんたらは……！
｢二郭伊助はどこにいる｣

母さん、父さん、僕はまだ、あなたたちの中で生きているのですか？

｢あんたたちの息子だ、知っているんだろう、答えろ！｣

やめ……っ！


｢やめなさい｣
両親に刃を向ける男。その男を止めたのは、長い黒髪の女性。
炎の中を走ってきたのか、体中がすすだらけで。でも彼女の息は、切れていない。
切っ先を男の首筋に当てて、彼女は微動だにしない。
｢彼らを離しなさい。彼らを殺せば、二郭伊助は余計に出て来なくなるわ｣
《今のうちに、逃げろ。》
飛んできた矢羽根の声は、かつての懐かしい先輩。
《そんなことは、できません。》
そう返事をして、屋根裏を伝う。
近い将来、敵対してしまうのではないかと思っていた。再会は、おそらく戦場なのだろうと、諦めていた。

それなのに、それなのに。

「なんであんたがそう断言できるのかは知らんが、どちらにせよ私は、この親も殺す。そう命令されたんでな」
「殺してみなさい。二度と二郭伊助に会えなくしてあげるから」
彼女の腕が、かすかに震えていた。それを見て、伊助は屋根裏から飛び降りる。自分の羽織っていた黒染めの布を、両親に被せて。



けれど、男の首をはねたのは、茶髪ではなく、赤髪だった。

「「タカ丸さん！！」」

目が笑っていない。全身が、赤黒く染まっていた。
「残念だけど、もう辻狩りしている余裕はないんだ」
息を全く切らさずに、彼は言う。

「だから、『首狩り』させてもらったよ」
ごめんね、と、彼は笑った。

笑えていないことは、タカ丸自身もわかっていたけれど。




「ごめんね」
斉藤タカ丸は、もう一度、そう言った。
それが誰に対してか、問い掛けることはせずに、「彼女」は言う。



さあ、帰ろうか、俺達の学園へ。





家が焼かれる。町が襲われる。家族が命の危機にさらされる。
そんなことをされるために入学したのではないし、自分と仲間だけ信じていれば、それでいいと思っていた。


だから、元忍たまたちは、学園へ帰る。
何のために、入学しようと思ったのかを、思い出すために。何のために、自分達は狙われているのかを、自分達の目で確かめるために。



「でも、その前に、」
「兵庫水軍だな」
「行こう」
そして火薬委員会、全員揃って、みんなで言おう。









「ただいま」、って。

[3回]