捏造・妄想だらけの二次創作ブログです。
たまに愚痴ってます。
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お待たせしました!本当に申し訳ありません!
LITTLEのカナンさんのお誕生日祝いです。
カナンさん宅の夢主君、被虐君メインで、「被虐君→兵助←人気君」の予定だったのですが、またもや見事にキャラ崩壊いたしまして…orz 被虐君、君、成長しすぎだよ…。
やっぱり人気君は人気君ですね。見事に「被虐君→兵助→人気君」に…すらなっていないのかも(^-^;
カナンさん、お誕生日おめでとうございました(^O^)
「人気者になりたい!」とあの先輩は言っていた。存在からしてキラキラした、あの集団の中に入りたいのだと。
「はにゃ?先輩こんにちは~!これからロケなんですよ~」
「…そうか、いってらっしゃい。頑張ってきて」
「はい!先輩もいつか出られますよ~、頑張ってください」
「うん、ありがとう、喜三太」
行ってきま~す、と元気な声で、喜三太はロケに向かう。
うらやましいともなんとも思わない自分が、嫌だった。
夢がある先輩が、うらやましかった。
以前からのくせで、目を向けられるとつい怯えてしまう。それがいけないことだとはわかっている。けれどまだ、人の目が怖い。
「あれ、今日の賄賂、豆乳プリンだ。後でどうせ豆腐投げつけられるんだろうから、これはその時のために取っておこーう、と」
今はあまり使われていない倉庫。ここに、出演できないでいるモブキャラたちがロケの日に閉じ込められていることを、視聴者や読者の皆は知らない。もちろん、レギュラーメンバー達も。それは、ロケスタッフがモブキャラ達に差し入れする、口止め用の「賄賂」が毎回豪華で、密かに楽しみにしている生徒は、他の生徒が裏切るのを嫌っているからだ。
そして私は、人の言うことに従うことに、慣れすぎていた。
「え?先輩それ、久々知先輩に差し上げるんですか!?」
「買ってきた、って言えばバレないよ」
「…まあ、そうですね」
たとえモブキャラ同士の会話でも、混じる勇気がない。
そういう自分を変えたいと願って、忍術学園にきたはずなのに、何も変わらない自分が嫌になる。
自分の殻の中に閉じこもっても、人の声は聞こえてきてしまう。
久々知君のことを、久々知君のことなんか、
「ロケが終わったら、委員会に行かなきゃなあ…」
考えないでよ、嫌われてると思ってるくせに。
久々知君が先輩のこと、ほんとはどう思ってるか知ってるくせに。
「兵助が先輩のことどう思ってるか知ってるくせに、そういうことを平気でしてたお前もどうかと思うけど?」
「……っ!」
久々知君と同じクラスの、モブキャラだった。
平気なわけない。毎日誰かと夜を共にして、いい加減心が壊れてしまいそうで。
やめて、やめて、私に関わろうとしないで。
どうしてずっとみんなでいなくちゃいけないの!?一人でいちゃいけないの!?どうして、
「どうしてみんな、私に関わろうとするんですか!?もう、放っておいてください!」
久しぶりだった。こんなに大声を出したのも、思いのままに、本音をぶつけたのも。
鉢屋、雷蔵、竹谷、それに久々知君に、思いのままをぶちまけた時以来。
「ねえ」
皆が注目し、静まり返った中で、ぽつりと先輩は行った。
「俺、兵助が嬉しそうに話してたの、覚えてるよ。今までどうしようかと思ってたけど、やっと友達になれそうだ、って。やっと本当に仲良くなれそうだ、って」
知らなかった。久々知君が先輩に、そういうことを言っているなんて。
「君が人と関わることが苦手なのは知ってる。君が用具委員会に、安心を求めてるのかもしれない、って、留三郎は言ってた。合ってるかどうかは知らないけど、確かに俺も、そう思ったことがあるよ」
この人は、もう人気者になっている。何も、読者や視聴者のみんなに存在が知られていなくても。
「あの5人だけなの?その輪の中に、俺らも入れてはくれないの?」
だって…先輩なのに…。いきなりそんなことを求めても、いいんですか…?
「モブ同士、お互い出演できるように、頑張っ…!イタッ!」
握手をするように差し出された手を、思わず叩いてしまっていた。血の気が引くが、このイライラはおさまらなかった。
「そういう同士を求めていらっしゃるのなら、他を当たってください!賄賂に一々喜んでいる先輩に、同情する気はありませんから!」
ふんっ!とそっぽを向いた途端、戸を開けたスタッフさんと目が合った。
「ん?あれ、君、どうしたの?」
と尋ねながらも、実は答えなんか聞いていないことは知っている。
「…まあ、いいか。
ロケが終わったから、出てもいいよ。お疲れさん」
それだけを伝えに、スタッフさんは来て、去っていった。
忍の卵に似合わず、歓声を上げて倉庫を出ていくみんな。
それを尻目に、真っ直ぐ硝煙蔵へと向かう先輩と、立ち去ったスタッフを追いかける自分。
息が切れないように心がけ、スタッフさんに話しかける。
「スタッフさん」
なんで、忍者でもなんでもないのに、スタッフさんはこんなに足が速いんだろう。
「ん?ああ、君、さっきの…」
必死に思い出そうとしても、私のことなんか始めから覚えていないんでしょ。
「いつか、出してくださいね。
そうでないと……」
「…?そうでないと?」
「もし、私が今後出られるという確証が得られなければ、鉢屋に頼んで、私に変装してもらいます」
「わ、わかったよ。会議にかけてみるから、鉢屋君に頼むのは、ちょっと待ってくれるかな?」
「わかりました。少しだけですからね」
頭を抱えるスタッフさんを後にして、自分も委員会へと向かった。
「ちょっと先輩!?どこに行っ…ってそれ、豆乳プリンですか!?」
.......
「スタッフさんにもらったんだー!兵助にあげるから、豆腐投げるのは、どうか、ご勘弁を…うわっ!?」
唐突に兵助が俺に、飛びついてきた。え、な、何?
「先輩!大好きです!俺のために、こんな…!
……あのスタッフ、後で一緒に締めましょうね?」
「うん!」
彼らの登場回も近い…?かもしれない。
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