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捏造・妄想だらけの二次創作ブログです。 たまに愚痴ってます。
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オリジナル続きです。ノートで書いてたときと時間軸が違う(・・;)
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「200メートル、みんな泳げる?」
不意に発せられた声に、反応できる者はいなかった。
発言主は篠木綾。倉庫にもあった機内放送の受話器を取ると、教頭からの情報を告げる。
「着陸地点は学校が持っているデータ上では陸になっている。だけど近森が独自に持つデータ上では海になっている。つまり、私たちになにかあったと仮に判明したとしても、あいつは言い逃れができるということ。着陸地点の200メートル先に陸がある。このスペシーが海面に着くまでに降りて、200メートル泳ぎきれば、みんな生きられるはずです」



「…それ、どこからの情報?」
淡々と告げられた機内放送の後、すぐに反応したのは沢野炛(こう)だった。
「教頭から」
「いつ?」
「スペシーに乗るとき」
「なんですぐに言わなかった?着陸地点が海だって、乗るときにわかってたんでしょ?なんでわかってから言うの?手柄横取りしたいわけ?」
「手柄とかそんなのどうでもいいよ。そんな手柄もらったってうれしくないし」
自分の命すらどうでもよかった。けれど、もしここに、一度助けた命が乗っていれば…?近森のせいで死ぬのなら、それはただの無駄死にでしかない。

「近森なんか信用してないし、あいつに引っ付いてる教頭も信用してない。だけどホントに着陸地点が海なんだったら、それは事実なんだろうし、ただ近森が厄介払いしたいだけなら、意地でも全員で生きて帰ってきてやりたいし。確証がないことは言いたくなかったしね」
過去に近森が何をやっていたのか。それをすべて知っているわけではもちろんないけれど、ほんの一部分の悪を、自分は知っている。自分が今までやってきたことの償いをするためにも、間違ったことは言いたくなかったし、無駄死にだけは避けたかった。

「ねえ、着陸まであとどれくらい?」
機内放送のスイッチは入っていないはずなのに受話器を耳にあてて言う少女。
「うん、わかった。じゃあこっち来てくれる?うん、ありがとう、うん、じゃあね」
話し終えたとみて、彼女は受話器を置いた。そうしている間も、片手に持ったハードカバー本から目を離すことはなかった。器用に次のページをめくる。
「…桜井さん、何してるの?」
隣にいた津山(つやま)沙奈(さな)が思わず尋ねるも、彼女は本のページから目を離すことなく、
「内線」
とだけしか声を出さない。
「あと、ちょうど一時間で着陸だって」
と、付け足したきり、本の世界にのめり込んでしまった。

その時倉庫へ入ってきたのは瀬ノ原平(ヒーラ)ら、指令室にいた人たちと、赤井茂ら制御室にいた人たちだった。
「まあ、一つに集まった方が確かに正解だね。桜井さん、ありがとう」
「別に…『内線』っていうボタンを見つけたからやってみただけだし…お礼を言われるほどのことじゃないから」
そうは言っても、内線ボタンを見つけたのは彼女。彼女がいなければ、機内放送で伝達をすべて行っていたかもしれない。

その後さらに彼女はビニール袋を見つけ、それぞれの荷物を詰めたあと、再び入り口に全員が集合していた。

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