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捏造・妄想だらけの二次創作ブログです。 たまに愚痴ってます。
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施設実習終わったよーーー!!

まあ、また次が始まるわけですが。

今日、8月29日の夏の終わりのバラ記念日、というわけで。
二人は出ません。←おいこら

銀ロマ番外編、8月29日の1年後、という設定のつもりです。あの子は出ませんが。
ヤン←ロイです。どんだけマイナーやねん。
完全に二人の世界ですが、よろしくお願いします。

「また来られたのですか…?」
わざわざ自分の住む星を抜け出し、ここ、イゼルローンまで訪ねに来る男。
「それも、またアポなしに…」
あきれはするが、相手の予想通り、自分は暇を持て余していたのだから、どうしようもない。
実際には、暇を持て余しているふり。大方ロイエンタールは、自分の部下がここに来るのが堪らなくなって訪ねてきたのだろうが、こちらは向こうの比ではない。


「アポなど取っても忘れるなら無駄であろう?」
また屁理屈こいて…などとヤンのやつはため息をつくが、アポを取っても覚えられていた試しがない。
何人死んだとかは関係ない。
ただ、今日は、ここにいたかった、それだけのことである。
「まあ、いいですけれどね」
俺の存在を気にせずにソファーに寝転がるヤン・ウェンリー。手元には厳選して入れられた紅茶。
テーブルを挟んだ向かいのソファーに腰掛けるオスカー・フォン・ロイエンタール。手元にはこれまた彼好みに厳選されたコーヒー。「泥水」と称するヤンに、 唯一家で飲むことを受け入れられたものである。少しでも間違うと、ロイエンタールも不機嫌になるが、ヤンには家を追い出すレベルである。
一度死に、軍人生活からは本当に解放され、自分の自由を認めてもらったヤンには、会議室でもなんでもない彼の家に、「泥水」が入り込むことなど、許されないことだった。

「…で、今日は何の用ですか?」
聞いても無駄だとわかっていても、つい聞いてしまう。
「用がなくては来てはいかんのか?」
案の定の答えに、怒るべきか安堵していいものやらわからずに、ヤンはため息をつく。
「まあ、構いませんけど。こちらは誰も訪ねてくるものなどいやしませんから、暇を持て余していたことですし」
かといって、別にロイエンタールが訪ねてきたって、二人で何かをするわけでもない。こうして二人、ソファーでくつろぐか、たまに歴史の話をするぐらいである。歴史好きのヤンはもちろん、同盟側だったヤンの話を聞くのは刺激になるのか、ロイエンタールも話が弾み、二人の会話は夜になっても終わらないこともしばしばあったのだが。
どうやら、今日はまた、帝国陣営にいるのが辛くなっただけらしいと判断し、ヤンは思いっきりソファーでくつろいでいるわけだが。
視線を感じる。
ヤン自身は紅茶を飲みながら尊敬する歴史家の著書を読んでいるわけだが、ロイエンタールはすることがないのだろう、ただコーヒーを飲んで、ヤンをじっと見ていた。
「…なにか?」


気づかれたか。だが、どう答えるべきか。
何もすることがなく、ただその場にいたくなくて、イゼルローンヘ逃げてきたのだ。本を読んでいるヤンに話しかけることなどできず、ただ、見ていたかったのだと言えば、この人はどう思うだろうか。
「…いや、なんでもありませんよ」
「…なんだか、らしくない口調ですね。何かありました?」
以前はもっと固い敬語を、お互い使っていた。それが少しマシになっただけでも、良しとするしかないのだろう。
「いや、特には何もないのだが…」
「だが、ということは、あるのでしょう、ロイエンタール提督?」
ヤン・ウェンリーがおきあがって、こちらを見つめていた。愛読書にしおりを挟み、テーブルの上に置き、こちらの話を聞こうとしていた。
「では聞くが…記念日とは、なんだ?」
「はあ?」
「いや…またフェザーンでパーティーが開かれていてな。意図がわからず抜け出してきたのだ」
「またですか…」
ヤンはそう言ってため息をまた一つ吐いた。

自分の地位も顧みず、彼はよくこのようなことをする。今日のパーティーは確か、宮内庁主催のものだったはずなのだが、また簡単に逃げてしまったらしい。まあ、死んで皆平等になってしまった以上、降格もなにもないのだが。
「なあ、ヤン・ウェンリー」
「ヤンでいいですよ」
実際にヤンもロイエンタールと呼んでいる。
「愛とは、なんなのだろうか」
「はあ…?」
「一夜の行為で、感情が結びつくものなのか?」
「ああ、なるほど」
自分も同じようなものであろうか。仕事でそばにいてくれた相手が、家でもそばにいてほしいとふと思った。それだけのことなのだろうが、かの皇帝(カイザー)の場合はどうなのだろうか。
「心もとなった、それでそばに呼び、夜を共にした。それで責任を取った。そこまではあの方のことだ、真面目にそう感じて行動したのだろう。だが、それから自然に夫婦として暮らしていっているということが理解できんのだ。そうして皇帝(カイザー)は、フロイラインと仲良くできるのだ?」

それは、ぜひとも本人に直接聞くべきではないかと思うのだけれど…。

「何事にも、きっかけってものがあるでしょう?突然の思い付き、ということは案外少ないものです。なにか理由があって、その考えが出てくるものでしょう?」
「まあ、そうかもしれぬな」
「ラインハルト様も、貴方と同じかもしれませんね」
「…同じ?俺と、あの方がか?」
「ええ」
ヤンはうっすらとロイエンタールに微笑みを投げる。



「たぶん、カイザーがフロイラインとうまくいっている理由と、貴方がここにくる理由は、同じだろうと思った、そうゆうことですよ」


いつか、はっきりおっしゃってくれることを、待っていますよ。



そう言ってヤン・ウェンリーは、紅茶を入れ替えるために、キッチンへと歩いて行った。


ロイエンタールは、わけが分からずに、ただそこに座っているだけであった。



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