捏造・妄想だらけの二次創作ブログです。
たまに愚痴ってます。
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お久しぶりです、チェルナムです。
銀英ロマン、呪われし宝石はこれにて終了です。
キルヒを選んだのはただの趣味です、はい。場所さえ変えれば誰でも連れて行けたはずです。
次はロイを救おう大作戦その1です。長いです。
ハロウィンとまったく関係ないものをお送りいたします。
ではでは。
「フェリックスくん!一体どこへ…」
「アンネローゼさまの部屋だった場所を教えてください!あなたなら知っているでしょう!?」
「確かに知ってますけどね…でもなぜです?」
「皇帝が、アンネローゼさまにあげたところを見たんだ。捨てて、しまおうと思って…」
「……こっちです」
元帥の足がとたんに速くなる。声も心なしか低くなった気がした。
――鎖された硝子 優雅に眠る宝石
過ぎ去りし日の夢の中
忍び寄る影 溶け込む緋の闇
盗賊たちは部屋の中 ――
(死人の2人)
「ここです!」
キルヒアイス元帥の声を合図に、2人は部屋に飛び込んだ。
棚の引き出しを、下から順番に開けていく。
「どんなものだったのですか?指輪とか、ピアスだとか…」
元帥の低い声が、フェリックスに問う。普段とは違う口調に戸惑いながらも、おそるおそる答えた。
「たしか…首にかけていたように…」
「…わかりました」
キルヒアイス元帥は、今まで探していた棚とは全然別の棚の、真ん中の引き出しを勢いよく開けた。赤い大きな宝石が、床に落ちる。
「…これですよね?」
これじゃなかったら許さないぞ、というような気迫。
思わずひるんだところへ、声がする。
「何か物音がしたぞ!」
「グリューネワルト伯爵夫人のお部屋だ!」
「何だ!?盗人か!?」
「…フェリックスくん。どうやって帰るんです?」
それは正直、考えていなかった。
警備員が部屋に突入する。慌てて部屋を見渡すと、大きな鏡が目に入った。鏡面が揺らめいている。……え?
キルヒアイス元帥、と呼びかけようとして、フェリックスはためらった。あちら(valhala)ではいいけれど、こちらでは禁句だ。皇帝(カイザー)の生涯の親友で、今は亡き人なのだから。
「キルヒー先輩」
さんざん悩んで口に出した名称は、自分でもわけのわからないものだった。それでも振り向いてくださった元帥に感謝したくなる。…顔は怖いけど。
「鏡だと思います」
不敵の笑みを浮かべたキルヒアイス元帥。赤い髪と、赤い宝石。さながらそれは、燃え盛る焔のようで。
「ふふ」
元帥は笑う。鏡面は激しく揺れている。
「私たちは、世界の闇の原因を、回収しに参りました。あなた方が案ずることはありませんよ。それでは」
その声を合図に、フェリックスは鏡に飛び込んだ。キルヒアイス元帥もそれに続く。鏡の向こうから、誰かが腕を引っ張っていた。
「ばかか、おまえは」
「キルヒアイス、俺はお前に対しての印象が変わったぞ」
「気持ちはわかるがな」
「このかっこうつけが」
この罵詈雑言を浴びて、フェリックスは、帰ってきた、と思った。
「…みなさん」
キルヒアイス元帥の声に、皆我に返る。
「目が笑ってますよ」
キルヒアイス元帥は、皇帝と離れて初めてであろう、心からの笑みを浮かべていた。
その後、宝石は、ワルキューレに頼み、ヴァルハラの宇宙の彼方へと捨てられることとなった。
しばらくの間、キルヒアイス元帥の姿を見たものは、いない。
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星座は、喜三太と同じ。
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